研究課題
近年、WNK-OSR1/SPAK-NCCリン酸化カスケードの存在が明らかになるにつれ、PHAIIという特定の疾患だけでなく、この新しいカスケードが腎臓での塩分再吸収をどのように生理的に制御しているかに注目が集まってきている。本研究では、インスリンがWNKシグナルを制御するメカニズムを明らかにする事を目標としている。2012-2013年度においてメタボリックシンドロームモデルの高インスリンdb/dbマウスでWNKシグナルが亢進している事を明らかにした。さらにdb/dbにSPAK.OSR1とのダブルノックアウトマウスを作成し、WNK-OSR1/SPAK-NCCリン酸化カスケードの亢進を証明した。また、インスリンシグナルの中でAkt, PI3Kが関与している事を阻害薬実験で明らかにした(Hypertension, 2012)。また、臨床応用するにあたり、ヒト患者の尿中NCCの測定も報告した(Am J Physiol Renal, 2013)。メタボリックシンドロームの塩分感受性高血圧の一因が腎臓遠位尿細管でのWNKシグナル亢進にあり、そのメカニズムが明らかになった事は、今後の、肥満患者等の塩分感受性高血圧の治療の新しいターゲットを生み出したと考えられた。さらに2013年度にはPHAIIの新しい原因遺伝子として同定されたKLHL3やCullin3という新しい分子が、WNKキナーゼをユビキチン化を介して蛋白量を制御している事を報告し(Cell Reports, 2013)、さらなるWNKシグナル制御機構の解明を進めていく事ができた。
すべて 2013
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)
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