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2013 年度 実績報告書

高血圧責任遺伝子同定への新規アプローチ:ストレス応答遺伝子と高血圧をつなぐ

研究課題

研究課題/領域番号 24790846
研究機関島根大学

研究代表者

大原 浩貴  島根大学, 医学部, 助教 (10609225)

キーワード高血圧 / 疾患モデル / ストレス / コンジェニックラット
研究概要

脳卒中易発症高血圧自然発症ラット(SHRSP)は高いストレス感受性を示し、高血圧・脳卒中病態との関連が示唆されている。以前我々は、正常血圧を示すWistar-Kyotoラット(WKY)とSHRSPの間で作成したコンジェニックラットを用いた生理学的解析により、ラット第1染色体の約1.8-Mbpの領域に、交感神経の活性亢進を介して血圧上昇を引き起こす遺伝子が存在することを明らかにした。
本研究では、既存のコンジェニックラット(SPwch1.72)を親系統であるSHRSPと交配し、より狭い染色体領域を保持する新しいコンジェニックラット(SPwch1.71)を作成した。これらのコンジェニック系統のストレス下における血圧と交感神経活性の変化を比較評価することで、ストレス感受性遺伝子の存在領域を1.2-Mbpにまで絞り込んだ。全ゲノムシークエンス解析の結果に基づき、この領域に含まれるStim1遺伝子について、SHRSPでナンセンス変異(p.Arg640X)が存在することを見出した。WKY、SHRおよびSHRSPの亜系に加え、一般に用いられている複数の実験用ラット系統について個別にシーケンシングを行ったところ、このStim1のナンセンス変異がSHRSP系統に特異的であることが明らかになった。ウェスタンブロット解析により、SHRSPの吻側延髄腹外側野(RVLM)を含む脳幹領域において野生型よりも短い変異型STIM1の発現が確認され、加えてSTIM1タンパク質の発現量はWKYと比較して有意に低いことがわかった。
STIM1は小胞体カルシウム貯蔵センサーとして機能する。機能面への影響はまだ不明だが、SHRSPにおけるナンセンス変異の存在やタンパク質レベルでの発現低下を考慮すると、STIM1は現時点における最も有力な候補遺伝子である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Identification of Stim1 as a candidate gene for exaggerated sympathetic response to stress in the stroke-prone spontaneously hypertensive rat.2014

    • 著者名/発表者名
      Mohammed Zubaerul Ferdaus, Bing Xiao, Hiroki Ohara, Kiyomitsu Nemoto, Yuji Harada, Kathrin Saar, Norbert Hubner, Minoru Isomura, Toru Nabika
    • 雑誌名

      PLOS ONE

      巻: 9 ページ: e95091

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0095091

    • 査読あり
  • [学会発表] ストレス性高血圧原因遺伝子としてのStim1の同定:高血圧モデルラットSHRSPを用いた研究2014

    • 著者名/発表者名
      大原 浩貴、磯村 実、並河 徹
    • 学会等名
      第91回日本生理学会大会
    • 発表場所
      鹿児島大学・鹿児島
    • 年月日
      20140316-20140318
    • 招待講演
  • [学会発表] 遺伝的高血圧モデルラットSHRSPにおけるストレス性高血圧原因遺伝子の探索2013

    • 著者名/発表者名
      大原 浩貴、並河 徹
    • 学会等名
      第36回日本高血圧学会総会
    • 発表場所
      大阪国際会議場・大阪
    • 年月日
      20131024-20131026
  • [学会発表] ラット第1染色体に潜むストレス感受性と高血圧をつなぐ遺伝子の探索:ストレス性高血圧の原因遺伝子同定を目指して2013

    • 著者名/発表者名
      大原 浩貴、磯村 実、並河 徹
    • 学会等名
      第49回高血圧関連疾患モデル学会学術総会
    • 発表場所
      日本大学・東京
    • 年月日
      20130906-20130907

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公開日: 2015-05-28  

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