研究課題
血中自己抗体の測定を行うため、小麦胚芽を用いた無細胞タンパク質合成技術を用いてマウスinteglin β1の組換えタンパク質の作製を行った。この組換え蛋白質を利用して、western blottingを施行したところ、モデルマウス血中においてintegrin β1と反応するIgGの存在が明らかであった。また組換え蛋白質を用いたELISA測定系を行ったところ、western blottingと同様、脾細胞移入後2週目よりモデルマウス群血中に抗intagrin β1抗体が有意差を持って出現し、4週目をpeakとし以降漸減することを明らかにした。抗体価がpeakとなる脾細胞移入後4週目のモデルマウスおよびコントロールマウスの腎凍結切片を用いて蛍光免疫染色を施行し共焦点レーザー顕微鏡にて観察したところ、モデルマウス腎臓にはintegrin β1とIgGがcolocalizeしていることが明らかであった。一方、コントロールマウスではIgGの沈着は認めなかった。蛋白尿出現の機序は糸球体上皮細胞がその一因と考えられている。抗integrin β1抗体による糸球体上皮細胞障害の機序を明らかにするため、不死化細胞株の樹立にしばしば利用されるImmortomouseより腎糸球体上皮細胞を単離し、不死化条件にて培養を行い不死化型糸球体上皮細胞株の細胞株の樹立に成功した。今後、ヒトSLE患者検体を用いて血中抗integrin β1抗体の有無、および腎予後との相関について検討を行う予定である。また、糸球体上皮細胞株に対して抗integrin β1抗体を作用させることで糸球体上皮細胞障害の機序の解明を行う予定である。
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