発達過程にある胎仔の後腎を移植するラット・マウス小動物モデルを用いて、①異種動物間移植をおこなった後腎においてもEPO産生能を維持しており、またそのEPO産生細胞の起源は後腎ドナーの動物種ではなく、レシピエント動物種が起源である事を示した。②Tie2-EGFPマウス、VEcad-EGFPマウスなど、血管内皮にEGFPを発現するマウスを作成し、それらマウスの骨髄を移植した‘骨髄のみトランスジェニック’となった骨髄移植後マウスをレシピエント動物とし、Wildマウスの胎仔後腎をレシピエント動物大網部に移植し、発達継続させてEPO産生細胞がレシピエントの骨髄由来であるか、血管内皮細胞由来であるかを検討し、その結果、骨髄を起源としている事を示し、さらにその細胞は間葉系幹細胞(MSC)を起源としている可能性がある事を示した。③自殺誘導遺伝子(ER-E2F1)搭載トランスジェニックマウスの後腎を足場として用いることにより、EPO産生細胞・組織が発達継続する過程において不必要となる異種部分を排除し、目的とする動物種のEPO産生組織を再生させる事が可能であることを報告した。 ④次に、後腎移植後にレシピエント動物に間葉系幹細胞を静注してEPO発現の増強効果を得られるか検討したが、現時点では有意な変化は認めていない。
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