研究課題
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の罹患率は、一般人口の約4%という報告があり、広く心血管病変の独立した危険因子と認識されている。SAS患者は、SASでない人と比べて高血圧症の罹患が約2倍と合併率が高い。しかし、高血圧の発症のメカニズムについては未解明のことが多い。本研究はSAS患者の高血圧症のメカニズムを特に、低酸素血症による持続的交感神経活性化および食塩による血圧の変化から明らかにすることを目的とした。長期間欠的低酸素暴露中の血圧および心拍数の変化の有無をテレメトリー装置にて、継時的に測定した。間欠的低酸素時(light cycle:8hour)と常酸素時(dark cycle :16hour)では心拍数・血圧変化するという日内変動がみとめられた。さらに食塩(8%)食餌を間欠的低酸素暴露中に負荷すると、収縮期・拡張期ともに血圧の上昇がみとめられ、このことから間欠的低酸素のラットにおいては食塩感受性が亢進し、血圧上昇を引き起こす可能性が示唆された。また間欠的低酸素後に取り出した組織カテコラミン(norepinephrine)の産生は増加しており、このことからも長期間欠的低酸素暴露では全身組織での交感神経の活動が亢進していることが明らかとなった。
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