卵膜由来間葉系幹細胞(FM-MSC)を用いて腎虚血再灌流障害モデルにおける組織再生保護効果を検証した。Lewisラットにおいて右腎摘後左腎を虚血し、再灌流時にFM-MSCを移植した。コントロール群では血清クレアチニン 、BUNの増加がみられたが、FM-MSC移植群ではその増加は抑制された。組織学的検討ではFM-MSC移植により尿細管障害が軽減し、マクロファージおよびT細胞浸潤も同様に抑制された。FM-MSC移植群では血清IL-10の増加が認められ、それらはIL-10中和抗体との同時投与により減少し、腎機能改善が消失した。本モデルにおける病態改善機序として、IL-10産生促進の関与が示唆された。
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