研究概要 |
本研究の目的は自己免疫性疾患患者細胞を用いてヒト自己抗体産生動物モデルを作製することである。H24年度にはMHC ClassI&II Double Knockout NOGマウスへヒト末梢血リンパ球(peripheral blood mononuclear cell, 以下PBMC)またはヒトB細胞を移入し、2ヶ月後におけるマウス生体内B細胞割合を確認した。2ヶ月後のマウス脾臓内ではヒトT細胞の異常増殖は見られなかったが、ヒトB細胞の生存も確認できなかった。血中でも同様の結果であった。H24年度の研究結果より、NOGマウス生体内においてヒトB細胞が生存するには、ヒトT細胞からのヘルプが必要であり、かつT細胞が異常に活性化しない事も必要である事が示唆された。ヘルパーT細胞が産生するB細胞刺激因子のリコンビナント蛋白を経時的に投与し、生体内濃度を維持する方法にてヒトPBMCまたはB細胞の生存を誘導することとした。 H25年度(最終年度)の研究実績は以下の通りである。 ①上記マウス体内の非特異的抗体が抗AQP4抗体にて染色されないことを確認した。②患者PBMCを上記マウスに移入し、同時にヒトIL-6, BAFF, IL-6とBAFFをマウス体内に注入し、ヒトB細胞の生存と分化、抗体産生の促進を試みた。PBMC移入後4週間後のマウス血漿中に抗AQP4抗体は確認されなかった。マウス血中のヒトリンパ球は確認されなかった。③患者B細胞を上記マウスに移入し、同時にヒトIL-6, BAFF, IL-6とBAFFをマウス体内に注入し、ヒトB細胞の生存と分化、抗体産生の促進を試みた。 B細胞移入後4週間後のマウス血漿中に抗AQP4抗体は確認されなかった。マウス血中のヒトリンパ球は確認されなかった。④患者および正常人のPBMCを移入した上記マウス血中のヒトサイトカイン濃度の動態の検討をBio Plexサスペンションアレイシステムを用いて行う予定であった。しかし血清が採取できず、実験は行わなかった。
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