今後の研究の推進方策 |
引き続きCJD症例のPMCAによる網羅的なCell-PMCAによるCJDプリオンの増幅特性について解析を続ける。同時に増幅効率の高いMV2, VV2,d-pCJDに関しては再試を行う。全ての症例におけるPrPScの増幅結果、必要に応じて各症例の臨床像、免疫組織染色、ウェスタンブロットのバンドのパターンなどの情報ともすり合わせ、分類を行う。129MrPrPCまたは129VrPrPCのいずれの遺伝子型の基質で増幅されるタイプであるかが最も重要な特徴となるが、その増幅効率がどの程度か、ということについても着目してそれぞれのタイプのPMCA法によるPrPScの増幅に関する特徴づけを行う。 sCJD-MV2、 sCJD-VV2、 d-pCJDついては、高感度検出が可能であることが予想される。これまでは48時間のPMCA反応によるPrPScの増幅効率を比較しているが、増幅効率が顕著に高いものに関しては、検出限界についても明らかにする。検出限界はマルチラウンドPMCA (48時間のPMCA反応の後に新たな基質を添加し、PMCA反応を連続させる方法)によって、超高感度にPrPScを増幅させることで、各CJDプリオンの検出限界を比較することができる。現時点では10のマイナス10乗希釈程度の患者脳ホモジネートからPrPScが増幅可能とすることが目標である。この検出限界が達成できれば、患者髄液からの検出が可能となることが予想される。
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