• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

効率的治療法確立を目的とした糖尿病性神経障害の疼痛機序の生理学的検討

研究課題

研究課題/領域番号 24790874
研究種目

若手研究(B)

研究機関千葉大学

研究代表者

関口 縁  千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (10568653)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード末梢神経障害 / 糖尿病性神経障害 / 軸索イオンチャネル
研究概要

本研究の目的は、神経近傍針電極を用いた軸索機能検査法の正常値作成と、有痛性糖尿病性神経障害患者における評価確立である。平成24年度は主に正常値作成のための手技確立を行った。
具体的にはまず内側足底神経および腓腹神経の表面電極および神経近傍針電極を用いた神経伝導検査を行い、正常値の作成を行った。成人のボランティアを対象に10名ほどで施行し、手技を確立した。神経近傍針電極は非常に細い針で疼痛は少ないが、個人によっては心理的な抵抗があった。しかし上肢よりも下肢のほうが痛みが少なく、心理的抵抗も低く、検査手技の支障にはならなかった。
また表面電極および神経近傍針電極を用いた軸索イオンチャネル機能検査についても正常者に検査を施行した。腓腹神経よりも内側足底皮神経のほうがより末梢での評価が可能であること、また針を挿入する場所が内果周囲で神経までの距離に個人差が少ないことから、内側足底皮神経での評価を中心に正常者への施行を試みている。
糖尿病性神経障害は高齢に多いため、正常値作成のためには高齢の正常対照者を選定する必要がある。このため正常値作成に計画よりも時間がかかっているが、手技は確立しているため本年度には可能な見込みである。
研究計画では平成24年度に糖尿病性神経障害患者20例の検査も行う事を目標としていたが、現在正常値の確立のため検査を行っている途中であり疾患群への検査は行っていない。当院での糖尿病性神経障害患者数は多いため、今年度に月5人を目標に検査を随時施行する予定である。また併行して結果解析と論文発表の準備を進めていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究計画では平成24年度に糖尿病性神経障害患者20例の検査も行う事を目標としていたが、現在正常値の確立のため検査を行っている途中であり疾患群への検査は行えていない状況である。原因として、検査手技の確立および年齢を一致させた正常対照の選定に時間がかかった事があげられる。
本年度は正常対照の選定を速やかに行い、正常値確立と平行して疾患対照群への検査を行う予定である。

今後の研究の推進方策

まず内側足底皮神経および腓腹神経において、神経近傍針電極を用いた軸索イオンチャネル機能検査を糖尿病性神経障害患者へ施行する。これにより神経障害の評価と、神経障害の病態機序にせまる。
具体的には、まず有痛性糖尿病性神経障害患者に軸索イオンチャネル機能検査を施行し、従来上肢で示されていた大径感覚線維軸索におけるNa電流増大と疼痛が関連する事が下肢でもおきているかを検討する。また有痛性および無痛性の糖尿病性神経障害患者の2群間で、臨床症状や神経伝導検査、血糖コントロールや病歴などを含めた比較を行い、有痛性末梢神経障害の病態機序を解明する。

次年度の研究費の使用計画

当初の研究計画よりも正常対照への検査実施数が少なく、現在ある機械を使用した。このため、平成24年度購入予定であった電気刺激装置および回線ノイズ除去装置が未購入であり、未使用額が発生した。
しかし現在使用している電気刺激装置は日常診療にも用いているため、検査を行う時間が限られている。そこで本年度は新規の電気刺激装置を購入し、検査可能な時間を長くしてより研究を進めたいと考えている。
また正常対照への研究の結果、本研究は感覚神経を対象としているために、従来の運動神経の軸索イオンチャネル機能検査よりも検査室でのアーチファクトを受けやすいことが判明した。このアーチファクトを除去するための回線ノイズ除去装置も本年度は購入し、疾患群の検査時に活用する予定である。

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi