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2012 年度 実施状況報告書

GEM小体に着目した運動神経細胞死の機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24790875
研究種目

若手研究(B)

研究機関新潟大学

研究代表者

横関 明男  新潟大学, 医歯(薬)学総合研究科, 特任准教授 (90515719)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードTDP-43 / ALS / GEM / SMN
研究概要

筋萎縮性側索硬化症(ALS)の発症に強く関与する核内蛋白であるTDP-43の発現低下により,核内小体の一つであるGEM小体の構成蛋白であるSMN(survival motor neuron)の動態の変化を確認するため,下記の実験を行った.
1.TDP-43の発現抑制によるSMN小体数の変化 核内小体の研究で広く使用されているHeLa細胞を用いて,TDP-43をsiRNAで発現を抑制し,抗体SMN抗体で免疫染色し,蛍光顕微鏡で観察してSMN小体の数を計測した.コントール,およびTDP-43発現抑制細胞それぞれ200細胞ずつ観察し,1細胞あたりのSMN小体の数を計測した.コントロール,2.97±0.127(平均±標準誤差);TDP-43抑制細胞,1.54±0.93であり,TDP-43の発現が低下すると,SMN 小体の数が減少することを明らかとした(P<0.001,Mann-Whitney’s U test).
2.TDP-43の発現抑制によるSMN蛋白量の変化 上記細胞を用いて,ウエスタンブロット法で,SMNの蛋白量の変化を確認した.TDP-43の発現抑制を抑制すると,SMN蛋白量が低下することを明らかとした.
3.疾患関連変異TDP-43の細胞内動態の解析 14種類の疾患関連変異および野生型TDP-43をC6細胞にトランスフェクションし,可溶性画分であるTris画分と不溶性画分であるSDS(sodium dodecyl sulfate)画分に分画化し,ウエスタンブロットを行った.Tris画分と比較してSDS画分に断片化されたTDP-43が多く検出されたが,野生型と変異型との間では違いは見いだせなかった.
上記の結果から,TDP-43の発現量が低下すると,SMNの数および蛋白が低下することを明らかとした.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

TDP-43の発現低下が,RNA代謝に関与する核内小体に影響を与えることを,培養細胞を用いて証明することができたため,平成24年度の実施すべき目標は概ね実施することができたと考える.

今後の研究の推進方策

平成24年度の研究で,培養細胞を用いて証明したSMNの低下が,ALS症例で生じているか否かを確認するため,剖検検体を用いて確認する.具体的には,弧発性ALSおよび神経変性疾患を合併していないコントロールの脊髄前角細胞を用いて,抗体SMN抗体による免疫染色,ウエスタンブロットを行い,SMNの数,量を確認する.またSMN小体の体積も,画像解析ソフトを使用して解析する予定である.

次年度の研究費の使用計画

上記研究を実施するにあたり,免疫染色の抗体や試薬,細胞への遺伝子導入やsiRNAなどの消耗品,シークエンス関連試薬,細胞培養の試薬などの消耗品の購入を行う予定である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Japanese amyotrophic lateral sclerosis patients with GGGGCC hexanucleotide repeat expansion in C9ORF722013

    • 著者名/発表者名
      Konno T, Shiga A, Tsujino A, Sugai A, Kato T, Kanai K, Yokoseki A, Eguchi H, Kuwabara S, Nishizawa M, Takahashi H, Onodera O
    • 雑誌名

      J Neurol Neurosurg Psychiatry

      巻: 84 ページ: 398-401

    • DOI

      10.1136/jnnp-2012-302272

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Alteration of POLDIP3 splicing associated with loss of function of TDP-43 in tissues affected with ALS2012

    • 著者名/発表者名
      Shiga A, Ishihara T, Miyashita A, Kuwabara M, Kato T, Watanabe N, Yamahira A, Kondo C, Yokoseki A, Takahashi M, Kuwano R, Kakita A, Nishizawa M, Takahashi H, Onodera O
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 7 ページ: e43120

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0043120

    • 査読あり
  • [備考] 新潟大学脳研究所 神経内科 研究紹介

    • URL

      http://www.bri.niigata-u.ac.jp/~neuroweb/laboratory/research_basic_002.html

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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