研究課題
既知遺伝子未同定の常染色体劣性遺伝性脊髄小脳変性症(ARSCA)2家系(家系Aおよび家系Bとする)および、常染色体優性遺伝性脊髄小脳変性症(ADSCA)2家系(家系Cおよび家系Dとする)を対象として新規責任遺伝子の同定を試みた。前年度までに全ての対象家系について次世代シーケンサーによるエクソーム解析を終了しており、家系Aについては遺伝子X変異を責任遺伝子候補として同定していた。しかし他施設から遺伝子X変異が類縁疾患である常染色体劣性遺伝性痙性対麻痺(ARHSP)の原因であるとの報告が平成24年12月に論文掲載されたため、家系Aについては表現型の多様性のメカニズムを究明すべく、遺伝子Xの酵素活性の測定を他機関との共同研究で行い、論文を作成している。家系B、C、Dについては次世代シーケンサーによるエクソーム解析で認められた日本人正常コントロールにおける頻度の低い変異について、他の例で同じ遺伝子に認められないかどうか、SCA患者DNA160例のスクリーニングを、MiSeqを用いて行った。しかし、現時点では遺伝子同定に至っていない。本解析を通じて新たに収集したARSCA8家系についてもエクソーム解析を追加したが、そのうち2家系は本邦でまったく報告のなかったSPG7変異例、SCARB2変異例であることを同定し、それぞれ英文論文として報告した。また1家系においては既知の疾患関連遺伝子ではない遺伝子のホモ接合性ナンセンス変異を同定しており、今後解析を進めていく予定である。
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