研究概要 |
パーキンソン病とパーキンソン病関連疾患(多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症)との鑑別に嗅球体積評価が有効であるかを検討した。パーキンソン病患者14例(平均年齢68.8±10.6歳,平均Hoehn-Yahr Stage (HY) 2.9±1.3,平均罹病期間5.0±3.7年)、多系統萎縮症11例(平均年齢69.2±7.1歳,平均HY3.5±1.4,平均罹病期間3.0±1.5年)、進行性核上性麻痺5例(平均年齢67.8±8.2歳,平均HY3.4±0.7,平均罹病期間3.2±1.6年)、大脳皮質基底核変性症5例(平均年齢75.4±4.3歳,平均HY2.8±1.3,平均罹病期間1.8±0.4年)全例にUnified Parkinson's Disease Rating Score (UPDRS)を採点し、頭部MRIによる嗅球体積測定と匂い検査(OSIT-J)、MIBG心筋シンチグラフィーを実施した。その際、頭部MRIで副鼻腔炎罹患患者は除外し、MMSEを実施し20点以下の患者も除外した。 その結果、以下の3点を明確にした。 1.嗅球体積と匂い検査とは相関傾向を示すことが判明した。2.パーキンソン病では他の疾患(多系統萎縮症、大脳皮質基底核変性症)に比し明らかに嗅球体積が小さかった(p < 0.05)。3.匂い検査(OSIT-J)は8点未満、嗅球体積は270mm3未満がカットオフになり、両条件を満たす場合はパーキンソン病である可能性が非常に高い。
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