研究課題/領域番号 |
24790898
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
新谷 奈津美 聖マリアンナ医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80440353)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | HTLV-1 / HTLV-1関連脊髄症(HAM) / Tax / IFN-γ |
研究概要 |
ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV-1)は、感染者の一部に脊髄の慢性炎症性疾患であるHTLV-1関連脊髄症(HAM)を引き起こす。これまでの研究から、制御性T細胞(Treg)におけるHTLV-1機能遺伝子Taxの発現がHAMにおける炎症性T細胞の発生に関与していると予想し、本研究では、Treg細胞特異的Tax発現ノックインマウスを作製し、Treg 細胞におけるTax発現が生体における免疫恒常性を破綻させ、HAM様の炎症病態を誘導し得るか検討し、HAMにおける免疫異常発症機構を明らかにすることを目的とする。ノックインマウスは、Tregの分化転換によりFoxp3発現の低下が生じた場合においても、細胞内でのTax発現を維持し、その細胞を追跡可能とするため、作製には、Foxp3プロモーター制御下で配列特異的組換え酵素CreとGFPを発現するマウス(①作製済み)と全身発現性Rosa26領域にTaxまたは蛍光タンパクRFPをノックインしたマウス(②)を用いる。②のマウスは、TaxまたはRFP遺伝子の直前にCre特異的組換え配列loxP間にSTOP配列を有し、Cre非存在下ではTaxとRFPは発現しない。①と②の2種類のマウスを交配して得られるマウスは、Foxp3発現細胞(Treg)にてCreが発現し、loxP間のSTOP配列を欠失することにより、TaxとRFPを継続的に発現するマウスとなる(Treg細胞特異的Tax発現ノックインマウス)。平成24年度は、Rosa26 loxP-STOP-loxP Taxのターゲティングベクターを構築し、本ベクターを導入したES細胞より複数匹のキメラマウスを得て、その中からF1マウスを作出した。 平成24年7月~平成25年7月 産前産後休暇および育児休業により中断。 平成24年7月19日付 様式F-13-1研究中断届を提出。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年7月~平成25年7月 産前産後休暇および育児休業により中断。 平成24年7月19日付 様式F-13-1研究中断届を提出。 平成24年8月23日付 学振助-第99号 補助事業期間延長承認。 産前・産後休暇、育児休業取得により一定期間研究を中断したが、おおむね順調である。 Rosa26 loxP-STOP-loxP Taxのターゲティングベクターを構築し、本ベクターを導入したES細胞より複数匹のキメラマウスを得て、その中からF1マウスを作出。
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今後の研究の推進方策 |
Tax発現によるTreg細胞から病原性T細胞への可塑的な分化転換の解析を行うため、Treg細胞特異的 HTLV-1 Tax発現ノックインマウスおよび対照群としてTreg細胞特異的 RFP発現ノックインマウスを作製し、作製したノックインマウスを用いて 1, 末梢血単核球中にTax発現による異常細胞増殖変化の有無の解析、2, Treg細胞マーカー分子(Foxp3、CTLA-4、GRIT、CD25、CD103)の発現変化の解析、3, Treg細胞による活性化T細胞増殖抑制作用のTax発現による減弱、4, IFN-γ、T-bet、その他の各種炎症性サイトカインの発現変化の解析を行い、炎症性細胞への可塑的な変化を検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
産前産後休暇および育児休業により中断期間が生じたため、学振助-第99号により補助事業期間延長承認を得た。 研究費は、解析用マウスの作製、飼育維持のための費用および解析に用いる各種抗体、サイトカイン測定用ビーズ、細胞培養用培地、試薬、器具の費用として用いることを計画する。
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