細胞膜上には脂質ラフトというシグナル伝達分子や糖脂質が局在するマイクロドメインが存在する。我々は、抗GM1抗体が神経細胞の生存・分化に必須の神経成長因子(NGF)の高親和性受容体であるTrkを介するシグナル伝達系を障害し、それが通常ラフト上に存在するTrkの非ラフトへの局在変化によることを発見し報告した。中性スフィンゴミエリナーゼ(nSMase)はラフトの重要な構成分子であるスフィンゴミエリンを分解し、GM1の基質となるセラミドを産生するため、ラフトの機能や構造変化に重要な役割を果たしていることが予測される。我々は、抗GM1抗体により膜画分においてnSMase活性に変化があることを見出した。
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