研究課題/領域番号 |
24790904
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
白石 裕一 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (40423644)
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キーワード | アセチルコリン受容体 |
研究概要 |
従来,抗AChR抗体の検出にはradioimmunoprecipitation assay (RIA)法が汎用されてきたが,最近RIA法の検出感度を上回るcell-based assay (CBA)が注目されている.高感度抗AChR抗体測定法により全身型seronegative MGの約70%がaffinityの低い抗AChR抗体をもつことが示された. CBAの場合は,検査結果の定量性という点で困難さを包含しており,我々は,従来法とは異なるカイアシルシフェラーゼ免疫沈降法(GLIP法)による抗AChR抗体測定法の開発を計画した. ヒト筋肉型ニコチン性AChRを構成する5つのサブユニット(α1, β1,γ,ε,δ)cDNAとカイアシルシフェラーゼ(GL)cDNAを制限酵素部位により連結(アミノ末端側に各サブユニットcDNAを,カルボキシル末端側にGL cDNAを配置)し,各AChRサブユニットに関するリポーターの作製を行った.さらに,作製したリポーターcDNAを哺乳動物細胞遺伝子発現ベクター(pcDNA3.1)に組込んだ. AChRサブユニット特異的リポーター発現ベクターをヒト細胞株・293Fに遺伝子導入し,その発現を生化学的に確認するとともに,GL活性の確認も行った. 各AChRサブユニットに対する既製抗体を入手し,各リポーターを使用したGLIPを実施し,GLIP法が成立する確認作業に取り組んだ.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
各AChRサブユニットに対する既製抗体を入手し,各リポーターを使用したGLIPを実施した.現時点で十分に検出感度がすぐれているとは言えず,検証作業を行っている.これと並行し, cell based assayによる高感度抗AChR抗体測定法に着手した.方法は,①HEK293細胞にAChRα,β,δ,εサブユニットとラプシンをtransfectionし,細胞表面にAChRを高密度に発現させる.②患者血清を加え,ホルマリンで固定後,二次抗体(Goat anti-human IgG Alexa Fluor568)を加える ③蛍光顕微鏡で評価を行う.①~③の準備は整い,assayを開始する.
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今後の研究の推進方策 |
Cell based assayによる高感度AChR抗体測定を行うとともに,Grip法での問題点を解決する.MuSK,Lrp4抗体を含めて,包括的にMG関連自己抗体測定を行い,その臨床的特徴を明らかにする.
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