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2012 年度 実施状況報告書

環境が及ぼす肥満維持増悪のメカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 24790905
研究機関東北大学

研究代表者

金子 慶三  東北大学, 大学病院, 助教 (60546141)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード肥満
研究概要

研究目的は環境が及ぼす肥満の維持増悪のメカニズムの解明である。
マウスへ環境エンリッチメントによる介入を加えて、摂餌量、体重、各臓器重量や血糖値など、肥満に伴う表現型や脳における遺伝子レベルの変化を調べた。加える環境エンリッチメントの種類(マウスが興味を示す遊具や走行輪など)や介入期間などの検討も行い、複数の実験を行った結果、上記肥満に関するパラメータの改善を認めた。これら研究目的の達成に迫るための基礎的データは得られたことは24年度の成果である。
また、環境エンリッチメントを加えることによって神経栄養因子のBDNF、インスリン受容体などの摂食や代謝との関連が深い分子に関して脳のさまざまな部位でその発現量がどう変化するかを調べた。どの分子がどの脳部位で変化しているかを知ることは、今後の研究の方向性を決める重要な因子であり、再現性の確認を含め、脳を採取する条件(絶食時や食後など)を変えながら繰り返し実験を行っている。まだ、今後のターゲットとして進めていくべき明らかな脳部位、遺伝子の同定はできていないが、データは蓄積されつつあり、今後へつながると考えている。
環境エンリッチメントの介入による日内リズムの変化に関しては、介入群において、夜行性のマウスの暗期での活動量、摂餌量が多い傾向にあるデータが得られた。日内リズムは肥満糖尿病との関連が深く、脳がその調節に大きな役割を担っている。脳の遺伝子解析との結果を合わせることができれば、肥満糖尿病の新たなメカニズムの解明へとつながる点において本研究は意義深いと考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

環境エンリッチメントを加えることで、肥満糖尿病のパラメータの改善を確認できた。ゆえに、マウスの生活環境へ介入する実験系を確立した点においては研究は概ね順調に進んだ。
しかし、環境エンリッチメントを加えた際の脳の遺伝子解析において、脳部位と神経や代謝関連の分子の変化を同定するまでには至らなかった点においては不十分であった。
上記理由によりやや遅れている状態と判断した。

今後の研究の推進方策

今後は24年度から行っていた脳の遺伝子解析をさらにすすめていく。具体的には脳部位をマイクロダイセクションにより採取し、RTーPCRにより解析する。また、蛋白レベルでの発現も行う予定である。
上記解析により、ターゲットとなる、脳部位や分子を絞り込めてきたら、目的分子をウイルスを用いて遺伝子導入したり、分子そのものを脳部位に注入して肥満、糖尿病に関連する表現型を調べる。表現型としては、体重、脂肪量、血糖、インスリンや脂質などの代謝パラメータや、摂餌量、日内活動リズムといった行動を解析する。
上記により環境エンリッチメントを加えた効果のメカニズムの解明を目指す。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

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公開日: 2014-07-24  

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