肥満時の腹腔内脂肪組織の慢性炎症は糖尿病・インスリン抵抗性との関連が強く、炎症の中心となるのは脂肪組織マクロファージである。低酸素はインスリン抵抗性の機序の1つであり、本研究ではマクロファージに発現する低酸素誘導因子HIF-1αについてインスリン抵抗性との関連を検討した。マクロファージのHIF-1αを欠損したマウスでは、肥満時の脂肪組織における炎症の軽減、血管新生の促進、低酸素の軽減を認め、全身のインスリン抵抗性が改善した。本研究結果から、マクロファージに発現するHIF-1αの抑制がインスリン抵抗性の改善、糖尿病発症予防につながることが明らかとなった。
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