インスリンとインスリン様成長因子(IGF)は互いに類似した構造のホルモンで、インスリンは血糖値の調節に、IGFは細胞増殖や個体成長に重要な役割を果たします。私達は、これまでにインスリンやIGFの細胞内情報伝達を担うタンパク質の一つ「インスリン受容体基質」がモノユビキチン化という種類の分子修飾を受けるとインスリンやIGFの作用が強まることを見つけており、今回の研究によってその詳細な分子機構を明らかにすることが出来ました。また、肝臓では細胞が受け取る栄養量が変化すると、この新しい機構を介してインスリンへの応答性が変化することも明らかになり、糖尿病発症機構の理解にとっても重要な発見と考えられました。
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