AMPK活性化による大血管合併症進展抑制機序として、動脈硬化症進展への関与が示唆されているマクロファージ(Mφ)増殖への影響についてAMPK活性化剤であるAICARを用いて検討した。Apo E欠損マウスのAICAR投与群では、有意に動脈硬化巣が縮小していた。AICAR投与群の動脈硬化巣では増殖細胞(PCNA陽性細胞)が有意に少なく、増殖細胞中のMφの割合も少なかった。AICARによるMφ増殖抑制の機序としてRbのリン酸化抑制、p53のリン酸化、p21cipおよびp27kipの蛋白発現誘導が関与する可能性が示された。薬剤によるAMPK活性化が動脈硬化症の治療標的となり得ることを明らかにした。
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