タンパク質のチロシン硫酸化は、生命の維持に必須の生体内反応であるが、その詳細はまだ明らかにされていない。本研究でははじめに、分解されやすいとされるチロシン硫酸化ペプチドを安定に解析する方法について検討し、これを確立した。次に、培養細胞から分泌タンパク質を回収し、この中からチロシン硫酸化タンパク質を網羅的に探索した。その結果、新規硫酸化タンパク質を複数発見した。さらに、臨床での扱いが簡便な尿中から硫酸化タンパク質を検出するに成功した。今後、本研究により同定したタンパク質チロシン硫酸化と疾患の関係を明らかにすることで、新たなバイオマーカーの開発が期待できる。
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