サイトカインLECT2について、肥満、糖尿病および糖尿病性細小血管障害に対してどのような変動があるかを、ヒト血清中の濃度を測定し、比較解析した。まず、糖尿病ではない人間ドック被験者では、肥満であると血清LECT2濃度は、非肥満者に比べ有意に高く、加えて脂肪肝を呈するとLECT2濃度が高値を示した。また、インスリン抵抗性とも正の相関を示した。次に、糖尿病患者で血清LECT2濃度を測定すると、LECT2は糖尿病そのものよりも三大合併症の一つである糖尿病網膜症に強く関連する因子であることが明らかとなった。これらから、LECT2は肥満関連因子であり、糖尿病網膜症の発症に関与する可能性を見出した。
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