次年度の研究費の使用計画 |
前述のマウスおよびレプチン・グレリン遺伝子改変動物について以下の解析を行う。(a)行動学的解析:①条件性場所選好試験、②2ボトルスクロース嗜好性試験、③不安行動(高架式十字迷路)、④自発運動能、⑤ストレス反応(強制水泳テストおよび拘束ストレス);(b)機能解析:①急性スライスを用いた電気生理学的解析、②in vivoマイクロダイアリシス法によるドーパミンおよびグルタミン酸分泌解析;(c)分子生物学的解析:定量的RT-PCR法およびウェスタンブロッティング法による側坐核でのドーパミンシグナル関連因子および神経可塑性調節因子の発現検討;(d)代謝パラメーターの解析:体重変化、摂食量、脂肪量、血中糖脂質代謝関連マーカー;(e)レプチン、グレリン、およびアミリンの血中濃度。 また、C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)の報酬系への作用についても検討する。本研究室で軟骨における解析が先行していたCNPおよびその受容体であるGC-Bは、中枢神経系に高濃度に存在し、取り分け視床下部、線条体尾状核および側坐核に多く発現している (J Comp Neurol, 1995)。さらに、CNP はコカインによる線条体での細胞外ドーパミン濃度の上昇を抑制することが報告されている(Eur J Neurosci, 2001)。また、当研究室の検討によりCNPはエネルギー調節系に関与する(Inuzuka et al, Endocrinology, 2010;Yamada-Goto et al, Diabetes, 2013)。既に当研究室では、脳特異的GC-B deficientマウスを作成し、エネルギー調節系についての検討を始めており(Yamashita et al, The Endocrine Society’s 95th annual meeting & Expo, 2013)。同マウスの解析を行う。
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