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2012 年度 実施状況報告書

ヒト下垂体腺腫におけるErbB受容体ファミリー機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24790945
研究種目

若手研究(B)

研究機関神戸大学

研究代表者

福岡 秀規  神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (80622068)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード国際情報交換 / アメリカ合衆国 / ロサンゼルス
研究概要

本研究は機能性下垂体腺腫に対する新たな薬物療法の確立を目的としている。
当該年度において、本研究の倫理委員会申請書が、神戸大学附属病院、虎の門病院において承認され、虎の門病院での下垂体手術症例は、手術時に得られた検体を培養液中に保存し、当研究室にすぐに配送頂いている。検体組織は当研究室ですぐに初代培養系として細胞培養プレートに同数となるよう播かれ、Pan-ErbB阻害薬であるCanertinib、ErbB1,ErbB2阻害薬であるLapatinibを投与し、24時間後の細胞からRNAを抽出しホルモン遺伝子の発現量の違いを検討した。特に現在まで、ACTH産生下垂体腺腫を34検体送っていただき、そのうち21検体のReal-time PCRによるPOMC遺伝子発現については解析が終了した。さらにPRL産生下垂体腺腫は6例、TSH産生下垂体腺腫1例も配送いただき、現在解析ができる状態となっている。
下垂体腫瘍は頭蓋内腫瘍の約15%を占める比較的頻度の多い脳腫瘍である。そのほとんどが良性腫瘍であることから、予後良好である一方、腫瘍効果による神経症状、視野欠損、ホルモン産生低下症状が臨床上問題となる。また、ホルモン産生性下垂体腫瘍はそのホルモン過剰による症状が全身性に合併する。現在本疾患に対する治療は主に外科的切除が第一選択であり、薬物治療の発達が今後の課題である。現在臨床上使用されているソマトスタチンアナログ、ドパミンアゴニストが主な腫瘍を標的とした薬物療法であるが、これらに抵抗性を示す腫瘍に対しては対症療法、放射線療法が用いられている。
我々はErbB受容体が下垂体腫瘍のホルモン産生、細胞増殖に関連していることを見出しており、本研究は今まで下垂体腺腫での機能が分かっていないErbB3, ErbB4についての初めての検討である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在まで、ACTH産生下垂体腺腫を34検体送っていただき、そのうち21検体のReal-time PCRによるPOMC遺伝子発現については解析が終了した。さらにPRL産生下垂体腺腫は6例、TSH産生下垂体腺腫1例も配送いただき、現在解析ができる状態となっている。
非常に希少なACTH産生下垂体腺腫を34症例入手することができ、21検体の解析が終了していることは世界的に見ても非常に多数例での検討であると考えられる。
結果は解釈の困難な部分もあるが、さらに検討を深めるきっかけとなっている。

今後の研究の推進方策

現在Pan-ErbB受容体阻害剤であるCanertinibでPOMC発現を抑制する腫瘍と全く抵抗性を示す腫瘍が存在することが示されてきたため、その腫瘍に発現するErbB受容体について免疫染色で確認する予定である。また、ErbB受容体の下流に位置するCyclinEが下垂体腫瘍の腫瘍化メカニズムとして重要であることが示されているため、CyclinE阻害剤であるRoscovitineを用い、Canertinibの下流に位置するかの検討を行っている。

次年度の研究費の使用計画

消耗品費として800,000円、旅費として200,000円、人件費、謝金として50,000円、その他として49,764円合計1,099,764円の使用計画を予定している。

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公開日: 2014-07-24  

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