研究課題
「組織局所でのATRAPの発現あるいは活性が,高血圧および高血圧関連臓器障害の発症・進展に関与し,ATRAPの発現制御により高血圧および高血圧関連臓器障害を制御できる」との仮説において,平成25年度は血管におけるATRAPの機能的意義に着目した.血管平滑筋ATRAP高発現トランスジェニックマウスを作製し,野生型マウスおよび血管平滑筋ATRAP高発現マウスにアンジオテンシンII(AngII)を慢性持続投与し,2週間後,大動脈を摘出して,大動脈の壁肥厚,過酸化物質の指標である4-HNE組織免疫染色,NADPH oxidaseコンポーネント発現量,MAPKリン酸化などを評価した.その結果,血管平滑筋ATRAP高発現マウスでは,AngIIによる血圧上昇は野生型マウスと同程度であるが,AngIIを介したNOX4発現の増加‐p38MAPKリン酸化-4HNE産生が抑制され,血管肥大が著明に抑制されることを明らかにした.さらに,ラット血管平滑筋細胞においてATRAPを過剰発現させると,AngIIを介したNADPH oxidaseコンポーネント発現の増加が抑制されることを明らかにした.以上の結果により,ATRAPは血管局所の酸化ストレスを制御して動脈硬化の新たな治療標的分子となりうることが明らかにされ,その成果はCardiovascular Research誌 (ヨーロッパ心臓病学会誌,IF=5.94)に掲載された.
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