研究課題
本研究ではmTORC1欠損AML幹細胞集団において機能する、自己複製維持メカニズムの同定を目的としており、幹細胞維持におけるmTORC1抑制の役割の解明を目指している。前年度に行ったリン酸化プロテオームによる解析に加え、mTORC1欠損AML細胞の特徴を同定することを目的とし、BD Lyoplateを用いた網羅的な表面抗原の解析を行った。その結果、mTORC1欠損AML幹細胞集団では正常造血幹細胞の幹細胞マーカーとして知られているSca-1の発現が増加していることが明らかとなった。またCML幹細胞での発現が報告されているCD27の著しい誘導が認められ、幹細胞の維持に必要なシグナルが増強されていることが示唆された。In vivoのmTORC1欠損AML細胞では、他にも接着分子や、免疫抑制分子などの発現の増加が観察され、これらの分子が協調的にmTORC1抑制下での自己複製を促進していることが示唆された。またmTORC1欠損時にはmTORC2が機能していることが示唆されたことから、MLL-AF9 AMLモデルにおけるmTORC2の機能解析を試みた。in vitro, in vivoでRictorを欠損させて増殖・生存に対する影響を観察したが、Rictor単独での明らかな影響は観察されなかった。さらにmTORC1とmTORC2を同時に欠損するマウスを樹立した。またmTORC2の下流分子として知られるFOXOのin vivoでの長期的な抑制を実現するため、FOXO1/3/4ノックアウトマウスを導入し、解析を進行させた。詳細な結果はまだ得られていないため、今後の研究進展が必要である。
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