研究課題
申請者はこれまでに白血病の予後にかかわる可能性のある68遺伝子を抽出したが、本研究ではこの中から予後予測可能な腫瘍マーカーとしての資質を持つ遺伝子を臨床転帰がすでに判明している過去の多数の白血病初発時の骨髄サンプルを用いて同定することが本研究の第一の目標である。さらに申請者は、わずか9つの遺伝子セットで白血病の予後を推測しうる可能性があることを見出しており、この遺伝子セットの有用性を検証しキット化することで臨床の場での実用化を目指すことが第二の目標である。(方法)臨床転帰が判明している過去の骨髄サンプルのうち予後良好の経過をたどったものと予後不良の経過をたどったものをそれぞれ20から30例選定し、候補遺伝子の発現を免疫染色またはin situ hybridization法にて検討する。蛋白、mRNAの発現が予後不良の経過をとった骨髄サンプルで多く発現していたものを腫瘍マーカーとして選定する。(実績)候補遺伝子の探索を進めたところ骨髄異形成症候群と急性骨髄性白血病で著しく発現が異なる遺伝子を見出した。本遺伝子を高発現している白血病は発現レベルが低いものに比して全生存率が統計的に有意に劣ることが判明した。今後この遺伝子産物に対する抗体で、過去の白血病骨髄の免疫染色を行い、アレイデータのvalidationを行う予定である。
4: 遅れている
白血病の腫瘍マーカーを探索していている過程できわめてpromisingな遺伝子を同定した。まずはこの遺伝子発現と白血病の予後との関係を調べる予定である。遺伝子セットの検証についてはやや遅れる可能性がある。
過去の初診時白血病の骨髄標本を上記抗体で免疫染色を行っていく。目標症例は高発現、低発現例、それぞれ100例とする。その後臨床所見との関係、予後との関係について調査する。
新年度早期に試薬を購入できる予算が必要であった。試薬購入に使用する予定である。
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Clinical Lymphoma, Myeloma & Leukemia
巻: 14 ページ: e69-e72
10.1016/j.clml.2013.10.009