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2014 年度 実績報告書

免疫抑制剤による血管内皮障害の分子機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24790985
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

江口 良二  兵庫医科大学, 医学部, 助教 (00461088)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード血管生物学 / 血管内皮細胞 / 血管内皮障害 / 免疫抑制剤 / 3次元培養 / 細胞死 / 管腔崩壊
研究実績の概要

免疫抑制剤はドナー由来の造血幹細胞を移植する患者が発症する移植片対宿主病(GVHD)を予防するのに使用される。一方で、造血幹細胞移植では重篤な合併症である血栓性微小血管症などの血管内皮障害がしばしば発症する。その血管内皮障害の病原因に、GVHD、放射線、免疫抑制剤が関与することが疑われるが、詳細な発症機序はわかっていない。本研究では、国内で使用される免疫抑制剤FK506に焦点を当てて、3次元培養による血管モデルを用いた血管内皮障害の分子機序の解明を目的に実験を行った。昨年度までの本研究結果から、1)臨床血中濃度のFK506は管腔構造の崩壊(管腔崩壊)と細胞死を誘導する、2)FK506による免疫抑制作用やアポトーシス実行因子であるカスパーゼの活性化は血管内皮障害の原因ではない、3)FK506は血管内皮細胞の生存因子であるERK1/2およびAktの活性を減弱させることにより血管内皮障害を誘導することを明らかにした。また、播種性血管内凝固症候群に使用される組換型トロンボモジュリン(rTM)が造血幹細胞移植時に発症する血管内皮障害を軽減することが臨床的に知られているが、その機序は明らかになっていないため、FK506による血管内皮障害をrTMが実験的に軽減するかをさらに解析した結果、4)rTMはFK506による管腔崩壊は抑制しないが細胞死を抑制する、5)rTMによるFK506誘導性の細胞死の抑制はFK506によるAkt不活性化の抑制が原因である、ことも昨年度までに明らかにした。本年度ではFK506の血管内皮障害に関与するタンパク質を解析した結果、FK506結合タンパク質(FKBP)のうちFKBP12.6ではなくFKBP12が管腔崩壊に関与する可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015 2014

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 組換え型トロンボモジュリンはFK506が誘導するAktの不活性化により引き起こされる血管内皮障害を抑制する2015

    • 著者名/発表者名
      江口良二、藤盛好啓、岡田昌也、玉置広哉、若林一郎、小川啓恭
    • 学会等名
      第37回日本造血細胞移植学会
    • 発表場所
      神戸国際会議場・神戸ポートピアホテル
    • 年月日
      2015-03-05 – 2015-03-07
    • 招待講演
  • [学会発表] Recombinant human soluble thrombomodulin attenuates FK506-induced endothelial dysfunction through prevention of Akt inactivation2014

    • 著者名/発表者名
      江口良二、藤盛好啓、小川啓恭、若林一郎
    • 学会等名
      第87回日本生化学会
    • 発表場所
      京都国際会議場
    • 年月日
      2014-10-15 – 2014-10-18

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公開日: 2016-06-01  

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