我々は自己免疫性関節炎の発症において中心的な役割を果たすCD4陽性T細胞の分化を決定する転写因子に注目して検討を行ってきた。動物モデルでの検討においては、Th-17分化におけるマスター転写因子であるRORγtを発現したFoxp3陽性制御性T細胞が関節炎の発症制御に関与している可能性を見出している。またヒトの末梢血から分離したCD4陽性T細胞の検討から、関節リウマチ患者では健常人と比較してCD4陽性T細胞におけるRORγt発現が亢進していることが確認された。 これらの結果はT細胞における転写因子の発現制御が、自己免疫性関節炎の新たな治療標的となりうる可能性を示唆している。
|