研究課題
当該年度は以下の知見を得た。1) CD4T細胞におけるAiolos発現調節機構の解明:野生型マウスの脾細胞からナイーブCD4T細胞を単離し、TCR刺激とともにサイトカインを添加し培養した。その後、Aiolosの発現を細胞内染色法により解析したところ、CD4T細胞ではAiolosの発現が誘導された。2) CD4T細胞分化におけるAiolosの役割の解明:野生型マウスの脾細胞からナイーブCD4T細胞を単離し、TCR刺激とともに様々なサイトカイン添加時のもと、レトロウイルスベクターによりAiolosを過剰発現させた。その結果、Aiolos発現CD4T細胞では、コントロールベクターを感染させたCD4T細胞と比べて、IL-17A産生が亢進することが明らかになった。この結果より、AiolosはTh17細胞分化を誘導しアレルギー性気道炎症の増悪に関与している可能性が示唆された。3) アレルギー性気道炎症浸潤細胞におけるAiolos発現の解析:野生型マウスにOVAを感作及び吸入しアレルギー性気道炎症を誘導したところ肺内リンパ球においてAiolos mRNAの発現が誘導されていた。
2: おおむね順調に進展している
本年度は、マウスCD4T細胞におけるAiolosの発現調節機構及びその役割についてin vitroとin vivoで解析を行い、(1)マウスCD4T細胞ではAiolosが抗原刺激により発現すること、(2)Aiolosを過剰発現させるとマウスCD4T細胞ではIL-17A産生が亢進すること、さらに(3)マウスにアレルギー性気道炎症を誘導すると、肺内リンパ球でAiolosnの発現が亢進することなどの新たな知見を得ることができた。
今後は以下の研究を推進する。1) マウスアレルギー性気道炎症の肺内CD4T細胞におけるAiolos発現の役割の解析と、その新規下流遺伝子の同定。2) マウスアレルギー性気道炎症の肺内B細胞におけるAiolos発現とB細胞における役割の解析。3) ヒト末梢血単核球におけるAiolosの発現の解析。さらに難治性アレルギー性喘息患者の末梢血単核球におけるAiolosの発現と重症度との相関を解析。
該当なし
すべて 2013 2012 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件)
Modern Rheumatology
巻: 23 ページ: 357-364
10.1007/s10165-012-0662-5
BMC Cancer
巻: 12 ページ: 321
10.1186/1471-2407-12-321
PLoS One
巻: 7 ページ: e45510
10.1371/journal.pone.0045510