研究課題
1. 新しい関節リウマチ(RA)分類(診断)基準の策定診断未確定の早期関節炎患者に対して2010 RA分類基準、血液検査、グレースケール(GSUS)滑膜炎(半定量)、パワードプラー(PDUS)滑膜炎(半定量)、超音波による骨侵食(定性)、MRI骨炎(半定量)に関してRAの早期診断に寄与する重要度を解析した。その結果、血液検査によるリウマトイド因子・抗CCP抗体陽性、超音波による中等度以上のPDUS滑膜炎、MRI骨炎が早期診断に重要な因子として抽出された。また、2010 RA分類基準に上記の画像所見を組み合わせことで診断が向上することが分かった。現在、登録症例を集積中である。2. 抗リウマチ薬(DMARDs)治療反応の予測基準の確立メソトレキサートを中心とした経口DMARDsおよび生物学的製剤を新規に導入するRA患者において治療前および治療後3カ月毎に臨床的評価(DAS28、SDAI、CDAI)・血液検査・X線と併せて関節超音波・MRI(6ヶ月毎)による評価および血清・血漿サンプルの保存を行った。一部の症例においては、治療経過や画像所見や血清バイオマーカー(VEGF、Angiopoietin-2)の関連に関して論文報告を行った。現在、登録症例を集積中である。また、臨床的寛解症例における関節超音波滑膜炎の残存に寄与する因子として生物学的製剤使用の有無、骨浸食の有無であることを示し、論文投稿中である。3. 関節予後の予測基準の確立2.と同一のサンプルを用いるため、症例を集積中である。
2: おおむね順調に進展している
早期関節炎症例、治療導入症例、臨床的寛解症例において症例・サンプル集積中であり、今後、解析やサンプルによる新規バイオマーカーの測定を行う。
早期関節炎症例および治療導入症例における登録・サンプリングを漏らさずに行い、症例集積を速やかに行う。
1.新しいRA分類基準の策定;早期関節炎の登録症例を増やし、前述の血液検査、画像検査の項目よりRA早期診断に重要な因子を多変量解析にて抽出する。さらに、重要度の重みづけを行うことで新規分類基準を策定する。2.DMARDs治療反応性の予測基準の策定;治療新規導入患者の登録症例数を増やし、治療経過における画像(超音波・MRI)所見とバイオマーカーとの関連を検討し、治療反応性予測に重要な因子を抽出する。バイオマーカー検討は、サイトカインやケモカイン、血管新生因子のBio-Plexなどを用いた網羅的解析とELISA法により行う。3.関節予後予測基準の確立;2.により集積したサンプルを用いて、関節破壊(mTSS)に寄与する因子を検討する。上記画像所見・バイオマーカーと併せて遺伝子多型や環境因子の解析を行う。4. 分類・DMARDs治療反応・関節予後を組み込んだリウマチ治療アルゴリズムの確立-I:治療プロトコールの作成;DMARDs治療反応と関節予後を軽症から重症まで数値化し、それに応じたアルゴリズム化されたTreat-to-Target治療プロトコールを作成する。このプロトコールにはオリゴヌクレオチドマイクロアレイとイムノコンプレキソーム解析を加え、遺伝子発現パターンと自己抗原発現パターンの網羅的解析も予定する。
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