研究課題
関節リウマチは多様な病態からなる慢性炎症性の疾患である。一方、タンパク質の翻訳後修飾は生理学的恒常性の維持およびその恒常性が崩れることで様々な疾患の病因・病態制御に関与している。また、リウマチの病態に重要であると考えられる修飾ユビキチン化とシトルリン化がクロストークすること、シトルリン化がユビキチン化を抑制することを明らかにしてきた。本研究ではユビキチン化とシトルリン化のクロストークの意義を明らかし、特に、シトルリン化によるユビキチン化の抑制が滑膜細胞の増殖やサイトカインの過分泌といった病態に関与するかどうか明らかにすることを目的として解析を行った。時期特異的シノビオリン欠損マウスにタモキシフェンを投与し、生体におけるシノビオリンのユビキチン化活性の機能を検討した。野生型と比較し、欠損マウスでは滑膜細胞の細胞質の委縮、細胞層の減少、さらに骨膜の減少が認められた。このことから個体においてもシノビオリンの機能が滑膜の制御に必要であることが示唆された。さらに低分子化合物および天然物からシノビオリンの阻害剤の探索を行い、シノビオリンのユビキチン化酵素活性および基質との結合を阻害する候補化合物を得た。同化合物は滑膜細胞の増殖抑制活性を持ち、シノビオリン発現依存的に作用することが明らかになった。
すべて 2013 その他
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