研究課題/領域番号 |
24791007
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
野田 健太郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (30547914)
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キーワード | Bv8 / 関節リウマチ |
研究概要 |
①関節炎モデルマウスに対するBv8投与の影響の検討 正常マウスの膝関節におけるBv8のケモカイン作用の検討を行った.様々な濃度のBv8溶液をマウスの膝関節に関節注射した.膝関節の周囲径と組織学的検討を行った.その結果,Bv8投与群では膝関節周囲径が増加していた.一方関節組織では好中球の浸潤を認めたが,単球の浸潤は認めなかった.以上より,実際,Bv8が好中球を関節局所に動員しており関節炎を悪化させる可能性があることがわかった. 現在関節炎モデルにおいて検討している. ②関節リウマチ患者における末梢血Bv8の発現の検討 関節リウマチ患者,正常人コントロールにおける末梢血Bv8の発現をELISA法,realtimePCR法で検討した.ELISA法ではコントロール群と比較し,関節リウマチ患者にて有意に末梢血のBv8の発現が低下していた.PCRは現在検討中である.関節リウマチ患者末梢血におけるBv8の発現の低下は想定外の結果であった.関節局所と末梢血におけるBv8の動向は異なる可能性があるため今後,関節リウマチ患者の関節液中のBv8の発現を検討予定である. ③正常人末梢血の白血球,単球におけるBv8に対する走化性の検討 正常人末梢血から好中球と単球を分離し,ケモタキシスチャンバーを用いて,Bv8に対す走化性を検討した.結果,好中球はBv8による走化性が亢進している傾向を認めたが,単球では認めなかった.関節炎患者においても検討予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
関節リウマチ患者における末梢血中のBv8の発現が低下しており想定外の結果であったため,さらなる検討が必要になったこと.Bv8のレセプターであるPROKR1,PROKR2のノックアウトマウスを用いた研究を予定していたが,実験に用いる個体数を確保するための繁殖が難しいこと,研究を行うためのマンパワーがやや不足しており研究が遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
①関節リウマチ患者における関節液中のBv8の発現を検討する.もし発現が増加しているようであれば臨床症状との関連を検討する. ②関節炎モデルマウスにおいてBv8が関節炎の増悪因子になっているか.また,Bv8の関節炎以外の作用(疼痛,サーカディアンリズムに対する影響)も検討する. 炎症性サイトカイン,血管新生因子に対する影響を検討する. ③正常人白血球と比較し関節リウマチ患者白血球においてBv8による走化性が変化しているか検討する.
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次年度の研究費の使用計画 |
前年度正常マウス,ヒト白血球においてBv8が好中球の遊走を促進させることを確認した.実際関節炎に対する影響を調べるため研究を継続する必要がある. また,関節リウマチ患者において関節液中のBv8の発現を調べ解析する必要がある. マウスの購入,ELISA,real-time PCRに必要な消耗品,白血球の分離に必要な消耗品 ケモタキシスチャンバー等が必要になる予定である.
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