研究課題
1.各種核酸アナログ製剤の抗ウイルス効果の検討昨年度の検討により、ラミブジン・アデホビル耐性HBVであるrtA181T/N236T変異株は新規核酸アナログ製剤であるテノホビルに対する感受性も低下していることが示された。そこで、追加研究として、181番、236番いずれのアミノ酸変異が薬剤耐性に関与しているかについて検討したところ、236番のアミノ酸変異が加わることにより、テノホビルの感受性は約1/4~1/5に低下することが確認された。一方、昨年度の検討により、HBV genotype Aはgenotype Cに比して、テノホビルの感受性が低下していることが示された。そこで、本年度は、genotype間の相違が生じる責任部位を明らかにすることを試みた。その結果、HBVポリメラーゼ遺伝子RT領域にある2つのアミノ酸がgenotype間のテノホビル感受性変化に関与していることが示された。2.ヒト肝細胞を用いた細胞内遺伝子発現変化の検討HBVが感染した肝細胞では、免疫応答の影響を受けず、HBVの直接的な作用により、細胞内遺伝子発現に変化が生じる。そこで、本年度は、HBV持続感染ヒト肝細胞キメラマウスを用いて、ヒト肝細胞内遺伝子発現の変化について、次世代シークエンサを用いて検討した。その結果、HBV感染に伴い、免疫応答に関連する複数のパスウェイの遺伝子が有意な発現変化を生じており、HBV感染に伴い、ヒト肝細胞内で免疫応答が惹起されていることが示唆された。また、一部の遺伝子は、HBV感染成立後に核酸アナログを投与することにより、遺伝子発現が低下しており、これらの遺伝子は、HBV感染が直接的に遺伝子発現を誘導しているものと考えられた。
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