ウイルス感染症に対する化学療法では、ヌクレオシドの構造をベースにした核酸類似体が使用されている。一部のバクテリオファージ(ファージ)は、ユニークなゲノムDNAを有している。本研究では、抗ウイルス薬の創薬基盤となりうる新規核酸をファージゲノムDNAから捜索した。 LC-MSを使用しファージゲノムDNAを分析した結果、ほとんどのファージは、通常のゲノムDNAであった。一方、黄色ブドウ球菌ファージS6では、チミンがウラシルに完全置換されたゲノムDNAを有することは明らかとなったが、抗ウイルス薬の創薬基盤となりうる新規核酸の発見には至らなかった。
|