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2012 年度 実施状況報告書

重度免疫不全マウスを用いたHTLV-1欠損プロウイルス生成メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 24791028
研究機関宮崎大学

研究代表者

上野 史朗  宮崎大学, 医学部, 助教 (80435015)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード免疫不全マウス / HTLV-1 / プロウイルス
研究概要

ヒトTリンパ向性ウイルス1型(HTLV-1)は,成人T細胞白血病(ATL)の原因ウイルスである。ATLの約30-50%の症例で欠損プロウイルスの組み込みが報告されているが,我々は高プロウイルス量を示すHTLV-1キャリアでは,欠損プロウイルス保有細胞のクローナルな増殖が認められることや母児間感染キャリアでは,配偶者間感染キャリアよりもgag領域に欠損や変異をもったプロウイルス保有細胞が多いことを見出した。本研究においては,欠損プロウイルスの形成メカニズムを明らかにする目的で,我々が開発したNOGマウスゼノクラフトモデルを用いた感染実験を行った。平成24年度においては研究同意のえられたHTLV-1キャリア末梢血液全血および単核細胞(PBMC)をNOGマウス腹腔内に接種し、臓器に生着したヒト細胞について、細胞学的検索、感染や欠損ウイルスの有無(HTLV-1sequence特異的定量PCR)を検討した。肝臓などに浸潤がみられ、ヒト細胞の生着率は1-25%と個体差が大きく、100細胞あたりのウイルスコピー数も2-100%と大きな幅があった。1型欠損をあらわすgag/pX比は0.3-0.6、2型欠損をあらわすLTR/pX比は0.7-1.0と無症候性キャリアで見られる傾向と同様に1型が多く2型が少ない結果であった。接種する前後においてHTLV-1エンベロープ蛋白に対する中和活性を有するモノクローナル抗体(琉球大学田中勇悦教授より供与)を投与したところ、プロウイルス量の減少とともに1型、2型欠損の割合が共に増加する傾向がみられた。この結果よりNOGマウス内での新規感染を抑制することにより欠損ウイルスの生成が制限される可能性が示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

キャリア細胞の移植とモノクローナル抗体による感染抑制実験により欠損ウイルスの生成に関する新たな知見が得られた。しかし欠損パターンの詳細な解析や細胞表面マーカーの解析が不十分であった。

今後の研究の推進方策

さらに検体数を増やしてキャリア細胞の移植実験を進めるとともに、細胞株を用いたマウス体内での感染実験およびそれによる感染細胞の細胞学的性状の解析と欠損ウイルスのパターンの確認を行う予定である。

次年度の研究費の使用計画

・NOGマウスの購入
・プロウイルスの分子生物学的解析に要する試薬購入
・細胞表面マーカー解析用抗体試薬

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Proviral loads of human T-lymphotropic virus type 1 in asymptomatic carriers with different infection routes.2012

    • 著者名/発表者名
      Ueno S, Umeki K, Takajo I, Nagatomo Y, Kusumoto N, Umekita K, Morishita K, Okayama A.
    • 雑誌名

      International Journal of Cancer.

      巻: 130(10) ページ: 2318-2326

    • DOI

      10.1002/ijc.26289

    • 査読あり
  • [学会発表] HTLV-1キャリア末梢血単核球を移植したNOGマウスにおけるHTLV-1プロウイルスDNAのメチル化の動態.2012

    • 著者名/発表者名
      梅木一美, 山本成郎, 橋倉悠輝, 上野史朗, 高城一郎, 森下和弘, 岡山昭彦.
    • 学会等名
      第5回HTLV-1研究会
    • 発表場所
      東京大学医科学研究所講堂
    • 年月日
      20120826-20120826

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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