真菌は、健康な人に病気を起こすことはまれであるが、免疫が低下した人に感染し、一旦発症すると治療が難しい。真菌に対する治療薬は限られているが、一般的に使用されている薬が、治療薬の効果を変化させることを見出した。治療効果を弱める薬として解熱剤の一つであるシクロオキシゲナーゼ阻害剤に着目し、なぜ効果を弱めるのか、そのメカニズムの解明を検討した。その結果、シクロオキシゲナーゼ阻害剤は、真菌が治療薬を外に吐き出す能力を誘導することで、治療薬の効果を弱めている可能性が判明してきた。今後は、メカニズムの解明を通じて、治療薬を有効に使用するための方法について模索する。
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