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2012 年度 実施状況報告書

尿沈渣中の炎症関連分子mRNA発現パターンによる腎糸球体病変診断法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24791038
研究機関弘前大学

研究代表者

敦賀 和志  弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 助手 (80587014)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード腎臓 / 炎症 / サイトカイン / 尿沈渣
研究概要

ウイルス感染は腎炎症候群の悪化や発症の機転となり得る。これまで培養メサンギウム細胞を用いた基礎実験から,Toll-like receptor 3 (TLR3)を起点としinterferon (IFN)-β, retinoic acid inducible-gene I (RIG-I), chemokine ligand 5 (CCL5), IFN-inducible protein 10 (IP-10), fractalkine (Fkn), monocyte chemoattactant protein 1 (MCP-1)などの炎症関連分子群が誘導されることを報告してきた。今回,ウイルス感染との関わりが深い IgA沈着型腎炎 (IgA腎症 [IgAN],紫斑病性腎炎 [PN]) 患者から得られた尿沈渣細胞を用いて上記の機能分子群のmRNA測定を行い,疾患病勢との関わりを検討した。IgAN, PNにおいて非炎症性腎疾患 (ひ薄基底膜病、Nutcracker症候群)に比して RIG-I,CCL5,Fkn,MCP-1の mRNA発現は高値であり,Fknは腎組織の急性化・慢性化スコアとの有意な相関が確認された。また,腎組織の重症例ほどこれらの分子群がメサンギウム細胞での染色性が強い傾向が確認された。今後、症例数の集積、検討する分子群の絞り込み,尿沈渣細胞成分の詳細な検討を行う必要はあるが,尿沈渣に発現するウイルス感染で誘導されるFknに代表される炎症関連分子群mRNA発現の測定は,将来的に腎疾患の非侵襲的な病勢評価につながる可能性が示唆された。
また,ループス腎炎,IgA腎症,紫斑病性腎炎の尿沈渣細胞を用いマイクロアレイにより炎症に関連する遺伝子発現の傾向を現在解析中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度はIgA腎症,紫斑病性腎炎といった糸球体腎炎症候群患者の尿沈渣細胞を用いmRNA発現を測定し,RIG-I,CCL5,Fkn,MCP-1の mRNA発現は高値であり,Fknは腎組織の急性化・慢性化スコアとの有意な相関が確認された。また,腎組織の重症例ほどこれらの分子群がメサンギウム細胞での染色性が強い傾向が確認された。このことは,ウイルス感染で誘導されるFknに代表される炎症関連分子群mRNA発現の測定が,腎疾患の非侵襲的な病勢評価につながる可能性があると考えている。
更に,マイクロアレイを行い得られた結果を現在解析中であり,この結果を基に次年度の測定対象分子を決定する予定である。

今後の研究の推進方策

ループス腎炎,IgA腎症,紫斑病性腎炎の尿沈渣検体を用いて,炎症に関連する遺伝子発現の傾向をマイクロアレイにより現在解析中である。これによって得られた結果を基に検討する分子群を絞り込み,新たに得られる検体と蓄積してきた検体を用いてリアルタイムPCR法によって測定し,これまでと同様の方法でその発現状況を比較検討する。治療前後で収集した検体もあり,疾患別に経時的な変化についても検討する。最終的に,得られた結果をまとめて論文化する予定である。

次年度の研究費の使用計画

該当無し。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] IgA免疫複合体沈着型腎炎症候群の尿沈渣細胞から得られる炎症関連分子群mRNAの検討:ウイルス感染と病態との関わり2013

    • 著者名/発表者名
      敦賀和志
    • 学会等名
      東北小児腎臓病研究会
    • 発表場所
      新潟市
    • 年月日
      20130309-20130309

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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