研究概要 |
ウイルス感染症が病勢悪化や発症の機転となり得るIgA免疫複合体関連腎炎(IgA腎症,紫斑病性腎炎)患者から得られた尿沈渣細胞を用いて炎症関連分子群のmRNAの発現を検討した。一部症例の尿沈渣をマイクロアレイにより網羅的なmRNA発現の解析を行った。非炎症性腎疾患に比べ腎炎群ではRIG-I,CCL5,FKN,MCP-1の発現は高値でありFKNは腎組織の急性化・慢性化スコアとの有意な相関が確認された。腎組織の重症例ほどこれら分子群がメサンギウム細胞での染色性が強い傾向が確認された。尿沈渣に発現する炎症関連分子群 mRNA発現の測定は,将来的に腎疾患の非侵襲的な病勢評価につながる可能性が示唆された。
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