自閉症(ASD)主症状として社会性が挙げられる。社会性に関わるとされるオキシトシンホルモン(OXT)投与でASD症状の改善が報告され始めた。しかし、機序が不明であるためASD及び定型発達と診断された学童で、ASD重症度、OXT血中濃度、頭部MRIによる脳容量の測定を行い関連性の解明を試みた。 結果、ASD群で自我認知(process of self)を司る脳右楔前部の小ささが見られ、ASD重症度と相関を認めた。OXT濃度は、ASDの有無・重症度と関連なかったが、情動を司る扁桃体容量と正の相関がみられた。OXTはASDにおける社会性の問題から起因する不安を改善する間接的関与があることが推測される。
|