研究概要 |
平成24年度には白血病細胞株における薬剤感受性の評価をMTT法にて行った。また、一般的な抗がん薬と脱メチル化薬であるデシタビンの併用時の薬剤感受性も評価した。併用効果の解析にはCalcSynソフトウェアを用った。これによりデシタビンとクロファラビン、エトポシドの間に併用効果があることを確認した。 デシタビンで前処理後をした白血病細胞株と前処理をしていない白血病細胞株にクロファラビン、エトポシドを添加して培養後に、Annexin VとPIを添加して、フローサイトメトリーを行った。デシタビンで前処理をした場合にアポトーシスに陥っている細胞が増加したことを確認した。さらにこのときのcaspase-3/7活性を確認し、caspase-3/7を介したアポトーシスであると確認した。 デシタビン添加後の白血病細胞株とデシタビン非添加の白血病細胞株におけるアポトーシス関連遺伝子の発現量をRQ-PCR法にて比較した。デシタビン添加によってアポトーシス促進遺伝子であるBAXやNOXAの発現が増加し、アポトーシス抑制遺伝子であるBCL2L1とXIAPの発現量は減少した。これらは、仮説に沿うものであった。ただし、アポトーシス促進遺伝子であるBAK, BID, PUMA, ATM, TP53では発現量が減少しており、仮説に沿わない結果となった。 これらの研究成果は第54回日本小児血液・がん学会学術集会にて発表を行った。
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