研究概要 |
平成24年度には白血病細胞株におけるアポチーシス関連遺伝子群のDNAメチル化状態の解析を中心に行った。 デシタビン添加後の白血病細胞株とデシタビン非添加の白血病細胞株において、アポトーシス関連遺伝子のメチル化状態をBisulfite sequence法にて比較した。アポトーシス関連遺伝子はATM, BAK, BAX, BCL2L1, BID, NOXA, TP53, XIAPを解析した。 この結果、BAKとXIAP以外の遺伝子はほとんどがデシタビン添加非添加に関わらず脱メチル化しており、デシタビン非添加時にメチル化されている遺伝子はBAKとXIAPのみであることが判明した。しかしデシタビン添加によってもBAKやXIAPのメチル化は解除されず、平成24年度にデシタビン添加によってアポトーシス促進遺伝子であるBAXやNOXAの発現が増加し、アポトーシス抑制遺伝子であるBCL2L1とXIAPの発現量が減少することを確認した結果と矛盾した。 このため、これまで解析した以外の遺伝子の関与を考えた。平成24年度にデシタビン添加でcapase-3/7の活性が上昇することを確認しているため、CASP3遺伝子に関してメチル化解析を行い、デシタビン非添加時は3.5%のCpGのみが脱メチル化されているが、デシタビン添加によって脱メチル化されているCpGが9.4%に増加することが判明した。 これらの研究成果は第5回日本血液学会国際シンポジウムにて発表を行う予定である。
|