最近開発されたヒト類似の病変を呈するラット肺高血圧モデルを用い、肺高血圧の病態に関与し、また、種々エピジェネティック制御にも関わる、エストロゲンの影響を検討した。エストロゲン投与下での肺高血圧病変形成について検討した。肺高血圧発症前からエストロゲンを投与した群は、肺高血圧病変が抑制され、肺高血圧発症後にエストロゲンを投与した群は、病変の抑制を認めなかった。これより、肺高血圧の病変形成にエストロゲンが関与し、その投与時期が重要であるという知見を得た。病変部位から平滑筋細胞の分離培養を試み、各レベルの血管からの培養法を確立した。これにより、病変形成機序解明のため、細胞レベルの研究が可能となる。
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