デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)患者は経過中、高率に心筋症を発症する。現在、在宅呼吸器を含めた医療技術の進歩により呼吸不全による死亡数が激減し、長期生存が可能となった現在において予後に最も影響する原因は心筋症からくる心不全である。我々は、DMD患者の心筋症発症メカニズムを解明のために、iPS細胞を作成、心筋分化を行った。DMD患者iPS由来心筋細胞内のカルシウム濃度が明らかに高く、常にカルシウム過負荷の状態であることが判明した。また、心筋伸展刺激で明らかに細胞内カルシウム濃度上昇率が高く、負荷刺激においても心筋ダメージが起こりやすいことが判明した。
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