研究課題/領域番号 |
24791074
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
宮原 弘明 大分大学, 医学部, 講師 (00457615)
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キーワード | オートファジー / ウェスタンブロット / 細胞培養 |
研究概要 |
オートファジーは飢餓などのストレス条件下に誘導される、不要になった細胞内小器官や蛋白を消化する細胞内リサイクル機構である。細胞の恒常性を維持するために必須の機能として注目され、腫瘍、神経変性疾患、老化など様々な分野で盛んに研究されており、最近ではmTORシグナル伝達がオートファジーを抑制的に制御していることが証明されつつある。一方、結節性硬化症は知能低下、てんかん、顔面血管線維腫を三主徴とし、臓器多発性過誤腫をきたす遺伝性疾患である。原因遺伝子としてTSC1とTSC2が同定され、それぞれの遺伝子産物であるTuberinとHamartinがmTORを抑制的に制御していることがわかっている。臨床的には皮質結節や上衣下巨細胞性星状細胞腫などの中枢神経過誤腫の増多・増大が難治性てんかんを誘導し、腎血管筋脂肪腫や心臓横紋筋腫の増大が死因の主要因となっている。我々は先行研究にて結節性硬化症ではオートファジー機能不全が存在することを示唆した。本研究では、結節性硬化症の顔面血管線維腫から得られた線維芽細胞を用いて、オートファジー誘導過程をリアルタイムに観察したり、mTORやオートファジーに関連する蛋白や遺伝子を解析することにより、結節性硬化症-mTOR-オートファジーの相互関係を究明し、オートファジーの制御によって中枢神経過誤腫、腎血管筋脂肪腫、心臓横紋筋腫の増多・増大を抑制することを目的とする。初年度は本研究に必要な機材の準備と結節性硬化症患者の顔面血管線維腫からの初代培養を行った。当該年度は得られた培養細胞を無栄養培地で培養し飢餓的オートファジーを強制的に誘導し、その経時的変化をウェスタンブロットで検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ウェスタンブロットではオートファジー活性の指標となるLC3蛋白に対する一次抗体を用いるが、本検討に適合する抗体が見つからず難渋した。
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今後の研究の推進方策 |
ウェスタンブロットの一次抗体が決定すれば、以後の蛋白電気泳動系の実験は円滑に遂行できると予想される。加えて当該年度では緑色蛍光LC3蛋白を細胞質内に導入し、オートファジーのリアルタイム観察の実現を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験系の確立に難渋したため。 次年度の予算に加え試薬購入に充てる予定。
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