研究課題/領域番号 |
24791082
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
島 友子 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (60433364)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | IgA腎症 / IgA受容体 / Fcα/μR |
研究概要 |
IgA腎症は,小児,成人において最も頻度の高い慢性糸球体腎炎であり,腎不全の主要原因である.分子形態に異常のあるIgAが腎メサンギウムに沈着することによって惹起される炎症が疾患の本体と考えられるが,その炎症進展機序については不明な点が多い。 私達は,重症小児IgA腎症において,治療により腎メサンギウムのIgAが消失し,かつ消失例は非消失例に比べ腎予後が良いことを明らかにし,IgA沈着を規定する因子と炎症進展との関係が重要であることを示した。 そこで,小児IgA腎症におけるIgA沈着・消失に関与する因子の一つであると考えられるIgA受容体(FcαR,ASGR,Fcα/μR,トランスフェリン受容体)の発現とメサンギウム増殖の程度との関係を小児IgA腎症患者から得られた腎生検検体を用いて検討した。 IgA受容体関連遺伝子の発現をreal-time PCRで検討した結果,Fcα/μRの発現がコントロールと比較して著明に増加しており,さらにFcα/μRの発現量とメサンギウム増殖の程度に有意な正の相関を認めた。この所見はさらに免疫染色などにより受容体発現部位の確認が必要であるが,疾患特異的病態に関与している事が示唆され興味深い。 その他の受容体は一定の傾向を示すものもあったが明らかではなく,今後症例数を増やして検討する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度に主に行う予定であった,小児IgA腎症患者から得られた腎生研組織におけるIgA受容体の発現の解析についてはmRNAの発現の有無,発現量,糸球体病変の解析およびその相関を検討し,Fcα/μRについての有意な発現とメサンギウム増殖との正の相関を確認している。 しかしその他の受容体は一定の傾向を示すものもあったが明らかではないため,症例数を増やしての検討が必要であることや,実験IgA腎症モデル動物であるddYマウスにおける検討が進んでいないことからやや遅れていると考える。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に行った,小児IgA腎症患者から得られた腎生検組織における,IgA受容体(FcαR,ASGR,Fcα/μR,トランスフェリン受容体)蛋白の発現の有無,同受容体mRNAの発現の有無,及び定量,糸球体病変の解析と受容体発現との相関について,さらに症例数を増やして検討を行い,IgA沈着におけるIgA受容体の役割を更に明確にする。 ヒト検体でのIgA受容体の役割がはっりした際には、動物モデルを使用しての解析に着手していく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
症例数を増やしての解析検討を行う際に必要な試薬、抗体の購入に充て、動物モデルを必要とした際には、そのモデルの購入に充てる。
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