ADHDの病態の抑制・注意機能障害の解明と、治療薬の塩酸メチルフェニデート(MPH)とアトモキセチン(ATX)の脳機能学的薬理効果をfNIRSを用いた無作為化二重盲検プラセボ対照試験で検討した。抑制機能課題では、ADHD児の薬服用前、プラセボ(PLA)服薬後は脳活性がなかったが、MPH、ATX服用後は右前頭前野に活性がみられた。注意機能課題では、ADHD児の薬服用前、PLA服薬後に脳活性がなかったが、MPH服用後は右前頭前野のみ、ATX服用後は右前頭前野と右頭頂葉に活性がみられた。右前頭前野の変化はADHDの客観的診断指標に、右頭頂葉の変化はMPHとATXの選択指標となりうる。
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