研究課題/領域番号 |
24791113
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
落合 正行 九州大学, 大学病院, 助教 (90507782)
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キーワード | 臨床 / 免疫学 / 発現制御 |
研究概要 |
血小板減少性紫斑病などの自己免疫疾患を合併した母体、もしくは不規則抗体やABOやRh抗原などによる血液型不適合妊娠は、地域の周産母子センターに集積される。これらの母体から出生した新生児はしばしば血小板減少や溶血性黄疸を来たすことがあり、頭蓋内 出血や核黄疸など重篤な合併症の危険性がある。しかしながら病勢を予測する因子は特定されておらず、ただ新生児を慎重に経過観察をするしかない。今回の研究では、血球貪食機能を有する単球やマクロファージのFcレセプターの促進的・抑制的機能のバランスに着 目した。出生児の臍帯血を測定することで、病勢の予測因子のひとつを見出す可能性がある。 研究対象となる合併症妊娠から出生した新生児は当施設のみならず多施設からも集積する。それぞれの施設では研究内容について倫理審査の承認を受けている。出生前には母体の鑑別疾患や薬剤などの治療経過、血液検査結果などの情報の収集を行う。出生時に臍帯 血を採取して診療で必要な検体の余剰分を今回の研究に使用する。蛍光抗体を用いたフローサイトメーター解析、磁気ビーズを用いたCD14陽性単核球分離とmRNA採取を採取日に行う。同時に血漿保存も行い抗体価や増殖因子の測定に備える。いずれの実験系も当研究グループの大学院生および技術職員は精通しており、速やかに遂行する体制が構築されている。新生児の出生後の血液検査の推移や治療経過などの情報を収集する。集積した解析結果と出生前後の臨床情報との関連を統計学的に解析して、予測因子を検索する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ITP合併、不規則抗体陽性症例のいずれも正常コントロールと比較してFcγR2A/2Bのバランスが高く、抑制的機能を有するFcγR2Bが低いことが示唆された。これは成人例での結果と合致しており、今後は症例を集積して血小板減少例や早発黄疸例とのバランスの相違、治療経過による変化を観察する必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
検体の採取時期は通常の診療計画に従っているために、ルーティンの検査での余剰検体を用いるようにすれば、検体の採取忘れを防ぐことができる。また目標症例数に到達できない場合は、九州大学病院総合周産期母子センターのみならず、福岡市立こども病院・感 染症センター、国立病院機構九州医療センター、福岡赤十字病院、浜の町などの福岡市内の他施設にも協力を依頼する。
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次年度の研究費の使用計画 |
症例数が少ないため解析が進んでいない。 目標症例数まで引き続き症例の集積を行う。
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