低体温療法を施行した重症新生児仮死症例3例、軽症仮死症例13例、比較対照13例から、のべ79検体のサイトカインと、のべ76検体の転写因子を測定した。 新生児仮死群と比較対照群の比較では、IL6、IL8、IL10、GCSFが、日齢0、1において新生児仮死群で有意に高値であり、経時的にに低下した。 重症新生児仮死症例、軽症新生児仮死症例、比較対照症例での検討では、IL6、IL8、IL10は重症新生児仮死症例は軽症仮死症例、比較対照症例いずれに対しても有意に高値であった。 重症仮死症例において、IL6、IL8、IL10、GCSFは、日齢1に上昇し、以後低下していた。低体温療法により、これら炎症性サイトカインの上昇が抑制されているものと考えられる。 TNFαとINFγは新生児仮死の有無、新生児仮死の重症度に関わらず、各群間で有意差はなく、経過を通してほぼ一定値であった。 転写因子については、全項目において、新生児仮死の有無、新生児仮死の重症度に関わらず、各群間で有意差はなかった。
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