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2013 年度 実績報告書

未熟児における母乳を介した薬剤の影響に関する検討

研究課題

研究課題/領域番号 24791127
研究機関独立行政法人国立成育医療研究センター

研究代表者

和田 友香  独立行政法人国立成育医療研究センター, その他部局等, その他 (80399485)

キーワード母乳 / 薬物 / 未熟児
研究概要

薬剤投与を受けている母親の母乳、それを内服した未熟児において薬物濃度推移が
予測できているためTmax(最高血中濃度到達時間)での血液検体を採取した。検体中の薬物濃度はHPLC/MS (高速液体クロマトグラフ質量分析装置)等により測定を行った。
その結果、4人の乳児でのエナラプリル及びエナラプリラットの血中濃度に大きな変化はないように見受けられた。また、出生体重が1kg未満の超未熟児群の平均値が0.070 ng/mLに対して未熟児群の平均値0.043 ng/mLであり、エナラプリラットでは超未熟児群の平均値が0.526 ng/mLに対して未熟児群の平均値0.438 ng/mLであった。いすれも若干超未熟児の方が値が高めであったが、有意差はなかった。なお、いずれも測定値は検出限界以下であり、測定値を最良推定値と見なしての議論である。本研究では、測定点の数が少なかったために十分な議論を行うことができなかったが、活性代謝物であるエナラプリラットが母乳を通じて児へ移行する量は小さいと考えられたが、プロドラッグであるエナラプリルのRIDは5%を超える可能性があり、安全性の観点からさらに検討を行う必要があると考えられた。
アムロジピンではRIDの値は、平均約3%であった。母乳を通じての新生児へのアムロジピンの移行が低いことが推定でき、またこのことは、新生児におけるアムロジピンの血漿中濃度が定量限界以下で、母親の血中濃度の1/10以下であることにより確認された。なお、RIDのばらつきは比較的大きかったが(CV=43.5%)、新生児の体重や妊娠期間による影響は見られなかった。これより、アムロジピンを服用中の母親が授乳を行っても安全であると考えられた。これらの結果は論文作成過程である。
なおいずれの症例も長期的神経学的予後が不明でありひきつづきフォローアップを行っている。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 胆汁うっ滞性肝障害に対する待望の治療薬!魚油由来脂肪製剤Omegaven○R2014

    • 著者名/発表者名
      和田 友香
    • 雑誌名

      薬局

      巻: 65(2) ページ: 9

  • [雑誌論文] 新生児における先天性乳麋胸水に対するオクトレオチド投与療法.2013

    • 著者名/発表者名
      和田 友香
    • 雑誌名

      薬局

      巻: 65(1) ページ: 12

  • [雑誌論文] 小腸機能不全関連肝機能障害に対するFish oilの使用経験2013

    • 著者名/発表者名
      渡辺稔彦、船山理恵、山田耕嗣、山田和歌、高橋正貴、石濱秀雄、武田憲子、藤野明浩、田中秀明、濱郁子、兼重昌夫、和田友香、淵本康史、伊藤玲子、中村知夫、伊藤裕司、新井勝大、金森豊
    • 雑誌名

      日本小児栄養消化器肝臓学会雑誌

      巻: 27(2) ページ: 143-147

  • [学会発表] 母乳育児が結ぶ母と子の絆~最近のEBMから~

    • 著者名/発表者名
      和田 友香
    • 学会等名
      第27回日本助産学会学術集会
    • 発表場所
      金沢
  • [学会発表] 授乳と薬剤

    • 著者名/発表者名
      和田 友香
    • 学会等名
      第7回京浜新生児医療研究会~フレッシュマンセミナー~
    • 発表場所
      東京
  • [学会発表] 薬剤を内服中のお母さんと母乳育児

    • 著者名/発表者名
      和田 友香
    • 学会等名
      筑波大学 地域と大学の連携による周産期医療人材育成事業 教育セミナー58 第7回つくば母乳育児支援勉強会
    • 発表場所
      つくば
  • [学会発表] 母乳育児が結ぶ母と子の絆 ~最新のABMから~

    • 著者名/発表者名
      和田 友香
    • 学会等名
      平成26年度妊産婦・新生児・乳幼児等支援者研修会
    • 発表場所
      新潟
  • [図書] 第9回 医師のための母乳育児支援セミナー2013

    • 著者名/発表者名
      和田 友香、瀬川雅史、本郷寛子、水井雅子、大山牧子、奥起久子、瀬尾智子、水野克己、田中奈美
    • 総ページ数
      15
    • 出版者
      日本ラクテーションコンサルタント協会

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公開日: 2015-05-28  

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