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2014 年度 実施状況報告書

RORγt発現がCD4+T細胞の誘導に及ぼす影響の研究

研究課題

研究課題/領域番号 24791134
研究機関筑波大学

研究代表者

藤澤 康弘  筑波大学, 医学医療系, 講師 (70550193)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワードRORγt / 接触皮膚炎 / Th17 / Neuropilin-1
研究実績の概要

本研究の目的は,RORγtの発現に伴い誘導されるTh17による接触皮膚炎減弱メカニズムについて あきらかにすることであり,副次的にはRORγtがもつTh17の誘導以外の働きについても検討することである.現在進行中のプロジェクトについて詳述する.
1. RORγt遺伝子導入骨髄細胞の移植により作成した移植マウスの解析
C57/BL6系統の長幹骨から採取した骨髄幹細胞・前駆細胞にRORγtの環状DNAを導入したものをSublethal irradiationした同系統マウスに移植し,キメリズムは90%程度であった.解析の結果はRORγtの発現がある細胞でのInterleukin-17の産生は若干増加したものの,大きな差はなかった.他方で,B細胞の割合の増加が示唆される結果を得たことから,B細胞系統についての解析を行うべくあらたなプランを計画した(今後の研究方針参照)
2. Neuropilin-1遺伝子を導入したトランスジェニックマウスの解析
これまでの実験で得られたRORγt導入マウスのTh1の誘導原弱と制御性Tの誘導の増強のうち,制御性Tの関連した免疫抑制にはNeuropilin-1の発現が関わっている可能性がある事に注目し,Neuropilin-1についての検討を開始した.理化学研究所よりCD4細胞でのみ発現をさせるための発現ベクターの供与を受け,Neropilin-1のcDNAを挿入したものを受精卵へインジェクションする方法でのトランスジェニックマウスを作成した.トランスジェニックマウスへの導入の有無は,末梢血中のT細胞のEGFP蛍光の有無で判別できるため,受領した約100匹のマウスを数回にわたりFACSにてトランスジーンの有無を検討した.そうしたところ,トランスジーンが確認できた個体は1匹もなかったため,ベクター自体に問題がある可能性があった.そこで挿入遺伝子前後のSequenceを調べたが,供与もとからのマップと一致しており特に問題が見つからなかった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

トランスジェニックマウスの作成に手間取り,以降の解析が出来ていない.Neuropillin遺伝子の導入が発生の段階においてLethalな悪影響を及ぼしている可能性があり,もう一度トランスジェニックマウスを作ることで生じる作成費のロスを考えるとトランスジェニックマウスの作成は見送ることにした.

今後の研究の推進方策

1.接触皮膚炎減弱メカニズムとRORγtの関係の解明には,T細胞系だけではなくB細胞系のサブセットの変化も見る必要があると考え,新たにB細胞サブセット解析を今年度中に行う計画とした.特に,制御性B細胞の存在が昨今明らかになりつつあることから,いわゆる制御性B細胞と呼ばれているInterleukin-10産生B細胞(B10)についての解析を加えることで,そのメカニズムについてさらに追求していく予定である.
2.Neuropillin遺伝子についての計画は,使用しているベクターの問題なのか,それともNeuropillin遺伝子の導入による発生の異常なのかの判断が難しく,またトランスジェニックマウスの作成にかかる費用が研究費の大半を必要とすることから断念,新たに解析を行うことにした制御性B細胞についての研究にエフォートを割く事とした.

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公開日: 2016-06-01  

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